24歳、恋愛処女
お昼は少し遅いからって、小町通りで食べ歩き。
真人さんはそんなことしそうにないから、ちょっと驚いた。

……でも。
小さな、違和感。

ここのところ、ずっと見てなかった嘘笑顔。
仕事中は確かにしょうがないと思うけど、こんなに四六時中嘘笑顔で疲れないのかな。

 
ぷらぷら歩いて車に戻り、連れられていったのは少し山の方に入ったフレンチ。
隠れ家的な場所らしく、ほぼ森の中で周囲にはほとんどなにもない。
勧められて私はお昼からワイン、真人さんは車だからもちろんノンアルコール。

「真人さん?」

「なに?」

「疲れないですか?」

不思議そうに笑われて、ちょっと恥ずかしくなった。
私、変なこと、聞いてる?

「これくらい歩いたくらいで疲れないけど?
もしかして、彩夏は疲れた?」
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