24歳、恋愛処女
私を引き離すと、ちゅっ、また軽く唇を重ねてきた。

「そろそろ帰るよ。
歩ける?
それとも、抱っこした方がいい?」

意地悪く笑う真人さんの胸を叩く。
痛いはずなのになぜか、嬉しそうに笑っていた。

 
晩御飯前に携帯を一度チェックした真人さんの顔が曇った。

「どうかしたんですか?」

「ちょっとかけてくる」

笑顔、だけど無理してる気がする。
私の前では無理しないで欲しいんだけどな。

「ごめんね、ひとりにして」

すぐに戻ってきた真人さんはやっぱり笑顔だったけど、それは作ってるように見えて少し気になった。

その後、家に送ってもらえるかと思ったら、車は高級マンションの地下駐車場に停まった。

「ここは……?」

「僕のマンション」
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