24歳、恋愛処女
“同じ建物内で騒ぎを起こさないでもらえる?
恥ずかしくて仕事ができない”
 
……私たちが兄妹だって知っている人間は、ほとんどいないのに。

 
早く決着をつけて欲しい私の心とは裏腹に、理央の仕事の都合で、三人で会える最短は、日曜日の夜だった。

……はぁーっ、重いため息で周囲から阻害されてる私の肩を、松本課長が叩いた。

「なに、やってるの?」

「……すみません」

珍しく怒っている声に、背中が丸くなる。

「終わったら、下の和食店」

「……はい」

指定されたお店に、ますます身を縮こませた。
下の和食店には個室があって、よくお説教のときに使われる。


 
仕事が終わって、和食店の予約されていた個室で待つ。
松本課長には少しかかるから先に行って待ってるように云われた。
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