24歳、恋愛処女
「いえ、こちらこそすみません」

しばらくしてやってきた松本課長に、慌てて携帯を鞄にしまう。
店員を呼んでビールと、つまめるものを少しだけ注文すると松本課長は口を開いた。

「話題になってるよ、ビル中。
ミドルフロアもだし、アッパーも。
アッパーの方が多いかもね。
車通勤はアッパーの人たちが主だから」

「……はい」

自覚、してます。
兄からもメッセージが送られてくるくらいなので。

「ついこのあいだ恋ってなんだとか相談受けたと思ったら、痴話喧嘩?
しかも、三角関係?」

「……すみません」

「ほんとなにやってるの?」

呆れてる松本課長に返す言葉がない。

「仕事に支障をきたさなきゃ、僕は口を出さないよ。
個人的に相談されりゃ、そりゃ二村さんだったら乗るし。
でも今日のはね?」

「……すみません」
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