24歳、恋愛処女
いや、そういうこと聞いてくるのは気になるよ?
ナルシストなのか、自意識過剰な人間なんだろうかって。
どちらかだったらお近づきにはなりたくない。

「……やなりいいですね、二村さんは」

くすり、またおかしそうに荻原先生が笑う。

「えっと……?」

「ああ、なんでもないんです。
こちらの話です。
ところで。
食べること、好きなんですね」

なんだかにこにこと機嫌良さそうに笑って話題を変えてこられたのは気になるが、聞かれたことには答えておく。

「はい。
趣味が高じていまの会社に入ったくらい、好きですね」

「奇遇ですね。
僕も、好きなんです」

どうしてだろう?
荻原先生は心底楽しそうだ。
私なにか、面白いことでも云ったっけ?

「最近どこか、おいしいお店ありましたか?
僕はこのところ、これといったお店に巡り会えなくて」
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