24歳、恋愛処女
「はいはい、そこまでー。
絵梨ちゃん、手、止まってるよ?
彩夏ちゃん、例のワイン、やっと一本分けてもらえることになったから、商品部に取りに行って欲しいって松本課長が。
お願いできる?」

「……はい」

木山さんがあいだに入ってくれて、ほっとため息。
手早くそのあたりを片づけると、視線のあった木山さんが、気にしないで早く行ってらっしゃいって目だけで云った。
小さくあたまを下げて、私も目だけでお礼を云って調理室を出る。

佐伯さんは悪い人じゃないんだけど。
男関係がめんどくさい。
イケメンでお金持ちな男性にちやほやされたい。
あわよくば結婚したい。
そういうのがありありと出てて、そこが嫌い。

 
商品部からワインを受け取って戻ってくると、外回りに出てた松本課長が帰ってきてた。

「ワイン、受け取ってきました」

「うん、ありがとう。
ご苦労様。
あと」

――大変だったね。
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