24歳、恋愛処女
そう云って、愉快そうに笑われて。
だいたいあれだよ?
南谷さんは心配しすぎだっていうの。
私のお父さんかって。

からかいながらも、松本課長は予約を取ってくれた。
松本課長にお願いすると、比較的スムーズに予約が取れる。
意外と松本課長は顔が広いから。

ちなみにたまにする、私からの予約のお願いはよく聞いてくれるが、佐伯さんからのは断ってる。
なんでも合コンで使うからか、マナーがよくないんだそうだ。
料理、大量に残したりして。
お店に申し訳ないから、嫌なんだって。

「そんなことができるんですね」

荻原さんは楽しそうに笑ってる。
クリニックで会うときは感情の見えない嘘笑顔なので、まるで別人みたいだ。

 
目的地に着いて、今日は私がお金を払ってタクシーを降りる。

タクシー代は食事代と一緒で、交互に払ってる。
奢られて次は奢り。
割り勘ではないが、そういうのは結構楽。

 
店では予約してたとおり、個室に通された。
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