24歳、恋愛処女
「……ねえ。
サイカちゃんいま、めちゃくちゃエロい顔してるんだけど」

くすり、耳元で聞こえた小さな笑い声に一気に身体中が熱くなる。
顔を離した荻原弟さんを睨みつけると、また莫迦にするかのように片頬を上げてにやりと笑われた。

「そういうわけだから、他に人がいるとき、特に男がいるときはお勧めしないけどな」

ふと視線のあった荻原さんから目を逸らされてますます恥ずかしくなった。
ここに通っても、絶対マッサージチェアだけは利用しないようにしよう。

「あとはロッカールームとシャワーくらいだな。
そっちは案内できないけど」

でしょうね。
男性がそんなところまで案内してたら問題だよ。

荻原弟さんはいろいろ気に障ることもあったが、施設自体はさすがというか、きれいだった。
なので料金プランの説明もしてもらったが、無理なく通えそう。

「やっぱり僕も通おうかな。
こっちだったらインストラクターがつくし」

じろりと弟さんに睨まれてるのに、萩原さんは気付かないフリしてる。

「兄さんは仕事終わりが遅いから、そうそう通えなくてもったいないと思うけど」
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