24歳、恋愛処女
おかげで今日は調理から外されて、事務作業をしていたのだけれど、これじゃ。

「どうした?
僕でよかったら話を聞くよ」

落ちた紙を拾い集めていたら、松本課長も手伝ってくれた。
軽く揃えると、渡してくれる。

「松本課長。
……恋って、なんですか?」

「は?」

「えっと。
……なんでもないです」

驚いた松本課長に、なにを聞いてるのか恥ずかしくなった。

けれど。

「今晩、飲みに行こうか。
二村さんがお気に入りのつくねが出る、あの焼鳥屋」

「……ありがとうございます」

ぽんぽん、軽く松本課長の手が私のあたまにふれる。
やっぱり松本課長は上司だけど、いいお兄ちゃんだと思う。
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