空に咲く花とキミを
「華、金貸してくれない?」

「…」


直くんの仕事が決まって喜んだのもつかの間、本題はやっぱり悪い話だった。

「コレ払えなかったら、せっかく決まった仕事も内定取消しになるだろうな…」

「……」

「聞いてんのかよ?」

「あ…あたし、そんなお金ないよ……。親には相談したの…?」

直くんと付き合い始めてからというもの、連日飲みに行ったりパチンコ屋さんに行ったりで、貯金なんて全然できていなかった。

「オレの親はもう定年してるから頼れねーんだよ」

「…で、でも、あたしもお金ない……」

「じゃあオレが刑務所に入ってもいいっていうのかよ⁈そんな事言うならもう帰れ!」

「そんなこと言ってないでしょ」

直くんは機嫌が悪いと、二言目には帰れと言うーーー本当に帰ればいいのかもしれないけど、あたしはどうしたらいいのかわからずに、泣きそうになっていた。

「じゃあオマエが払うんだな?」


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