空に咲く花とキミを
「わかってますって、松井さんの顔を潰すようなことはしませんよ。」

「ははは、頼むね。」

「…。」

あたしは、調子のいいことばかり言う直くんの顔も見ず、会話に入ることもしなかった。

お昼ごはんを食べ終わると、松井さんは直くんを連れて行ってしまった。

たった10日間で職場を変わるだなんて、そんなに大変な仕事だったのかな……それとも直くんが根性ナシなだけなのかな。

あたしは前者であることを祈り、ひとり喫煙所に向かった。


「おう華じゃん。どうしたの？今日は彼氏は休み？」

「あ、大崎さん。ううん、彼氏…職場が変わるらしくて、担当者が連れて行きました。」

「ふぅん。」

興味なさそうな反応を見せると、大崎さんはタバコに火をつけた。

前に食堂で直くんと一緒にいるところを見たらしく、だから大崎さんはあたしに彼氏がいるということを知っている。


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