空に咲く花とキミを
「え、華に彼氏なんていたの⁈城間は知ってた?」

「いや、俺も知らなかった。華さん彼氏いるんだね。」

知らなかったのは田村くんと城間くんで、田村くんはあからさまに驚いていた。

あたしが直くんと一緒にいるのは、送迎バスの中とお昼休憩の時だけだから、2人が知らなくても不思議なことではなかった。

「うん、別にわざわざ言うほどのことでもないし…。」

言うほどのことでもないーーーそれは本心だけど、直くんが彼氏だと知られたくなかったのもまた、本心なんだと思う。

「田村、残念だったな〜。」

「お、大崎さん、何言ってんですか⁈オレは別に……華に彼氏がいるなんて意外だなぁ〜って。」

田村くんは、よく大崎さんにからかわれている。

「意外で悪かったわね!」

『あはは!』

あたしの言葉に、みんなが笑う。

あたしは笑顔の下で願うーーー直くんの仕事が、うまくいきますように…と。

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