空に咲く花とキミを
「はい」

「ありがとうございます」

あたしと直くんは松井さんを見送ってから部屋に入った。

「さてと、さっさと片付けるか」

「うん!」

直くんの提案に素直に答え、荷物の整理を始めたあたし。

実家に残してある物もあるけど、いざ荷づくりを始めると結構な量になってしまって、あたしはすぐに必要な物が入っているダンボールから開けることにした。

着替えや歯ブラシ、シャンプーなどの日用品を、それぞれの場所に置いていくーーーここで生活が始まるのだと、ますます実感が強まっていった。

「ねぇ、寮ってすごいね!冷蔵庫も洗濯機もエアコンもあるよ!」

「ん?あぁ、すぐに生活できるのが寮だからな。華、コレそこに置いとけよ」

「うん」

あたしは直くんから炊飯器を受け取ると、言われた場所に置いた。

3合炊きのかわいい炊飯器は、直くんが1人暮らしをしていた時のものだそうだ…。

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