A・O・I

「あっうん、ちょっと飲み過ぎたかも。ごめん。...........すいません!あの...ご迷惑をお掛けして。」


慌てて身体を起こして、靴の主を見上げると、私を見つめる優しい瞳とぶつかった。


「あの...........ありがとうございました。」


「いいえ、怪我が無くて何よりです。」


紳士的に私を椅子に誘導すると、その人はそのまま隣の席に座った。


「荒川様、大丈夫ですか?お水差し上げましょう。」


「...........ありがとうございます。美味しくて、飲み過ぎちゃったみたいです...........ハハ.....。」


「硝子、家送るよ。タクシー呼んでくるから待ってて。」


「あぁ...........うん。ごめん。」


空になったグラスを見ながら、自己嫌悪に陥る。


「はい。お水です!少し休憩されると、いいでしょう。一つ個室が開きましたから、そこへ。先生、手伝って貰えますか?」


「えぇ、勿論いいですよ。」


「えっ?でも、悪いですから!!」


「こうゆう時は、甘えた方がいいんですよ?」


「無理して、悪化したら大変ですし、タクシー来るまでですから、何も影響は出ませんから。」


「はい...........。それじゃあ、お言葉に甘えて。」


二人に支えられて、個室に横になった。


「先生すいませんが、私は戻りますので、後藤様がお戻りになるまで、ついていてあげてくれます?」


「あぁ、さっきの連れの男性ですね?」


「はい。」


「フフッ...........それにしても、この頃オーナーは、私に対して遠慮がないですね?」


「ええ、先生の趣味にこの場を提供してますから、お互い様だと思いますけど?」


「あれ?痛い所突かれちゃったな…ハハッ!」


「それじゃあ、宜しくお願いしますね。」




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