sugar days〜弁護士のカレは愛情過多〜
「ん、ふ……」
決して痛くはない強さでかぷ、と上唇を甘噛みされ、ぴくんと身体が小刻みに震える。
……手が使えないのって、なんか自分がすごく無防備な感じがしてやばいかも。
甘い感触に酔いながら、閉じていた状態からうっすらまぶたを開く。するとこちらをガン見している詠吾さんと目が合って、心臓が飛び跳ねた。
な、な、なんでそんな見てるの……!?
恥ずかしくてパッと顔を背けたけれど、“ダメだ”と言わんばかりにすぐに顎をつかまれて正面を向かされた。
「……逸らすなよ、顔」
「だ、だって、すごい、見てるから……っ」
「そりゃ見るだろ。俺のキスに感じてとろっとろに溶ける千那の顔が見たいんだから」
な、なにそれ。私ってばいったいどんな顔してるの……!
かあぁ、と頬に熱が集中して詠吾さんを睨むけれど、彼はいたって冷静というか、むしろ楽しそうに私を眺めている。
「そういう恥ずかしがる顔も可愛い」
「や、やめてください……恥ずかしくて死んじゃう」
「可愛すぎて……キスだけで我慢できるかな、俺」
後半だけ妙に低い声で、艶っぽくささやいた詠吾さんに、妙な予感がよぎる。
「あの、今は、朝ですけ…………んぅ」
考えている暇もなく、再び降り注ぐキスの嵐。彼の激しい舌遣いに口内の隅々まで愛撫されて、自然と甘い吐息がこぼれてしまう。