Call my name !! 【短編】
時間が経つと私も少し落ち着いてきた。

「ごめん、ケイタ。私、ちゃんとケイタの気持ちわかってるつもりだから」

ケイタは大きなため息をついた。ホッとしているように見える。


「いや、悪いのは俺だよ。ごめんね。未だに『ユウナちゃん』の前だと緊張しちゃうんだ」

セリフの中で『ユウナちゃん』って単語だけが浮いているように聞こえた。


「俺、慣れてないんだ。女の子のことって経験が少ないから。少し自分に自信ないところもあるし、情けないなって思っているところもある」


ああ。私、ケイタに何を言わせているんだろう。彼女にこんなこと言うのって絶対に恥ずかしいんだろうな。


「不安にさせてほんとにごめん。だけど俺、今は『ユウナちゃん』に釣り合おうと必死にもがいてるんだ。それだけわかっててくれないかな」

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