誰にも言えない秘密の結婚
お弁当を食べ終わり、空になったお弁当箱は洗って持って帰るためにキッチンに持って行く。
キッチンに行くと有本さんがいた。
フワフワして可愛らしい有本さんは、私だけには睨むように見てくる。
なるべく目を合わせないようにしてシンクにお弁当箱を置こうとした。
「藤原さんにあんなこと言われたからって勘違いしないでよね。あんなのただの社交辞令なんだから」
「別に勘違いしてません」
「はぁ?吉田のくせに口答えするな!」
そう言った有本さんは手を上に上げ、私の持っていたお弁当に思いっきり手を振りかざした。
手からお弁当箱が落ちる。
フローリングの床に落ちたお弁当箱は蓋と本体が離れた。
幸いにも割れたりはしてはい。
それを拾おうとした時……。
有本さんが思いっきりお弁当箱を踏みつける。
「あ……」
お弁当箱は凄い音をたて割れた。
蓋も本体も使い物にならないくらいバラバラになってしまった。