誰にも言えない秘密の結婚




「あか、り?」



目を見開き私を見る拓海さん。



「行かないで?」



拓海さんは更に目を見開いていく。


熱のせいで人恋しく寂しくなっていたのかもしれないけど、無意識のうちとは言え、自分でもビックリするような大胆な行動に我に返り、慌てて拓海さんから手を離した。



「ゴ、ゴメン、なさい……」


「わかった。今日は明と一緒にいてあげる」


「えっ?いや、えっと……仕事に、行って下さい……」


「遠慮しなくていいよ?」


「遠慮なんて、してない、です……だから……仕事に……」


「今日は明の側にずっといるって決めたからね」



拓海さんはそう言って、再び私の頬を撫でると部屋から出て行った。


どうしよう……。




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