誰にも言えない秘密の結婚




「吉田もさ、自分が悪くないと思ったら謝る必要ないからね?」


「はい……」



すぐに謝るのは昔からの癖だった。


自分は悪くないとわかってるのに、責められるといつも謝ってしまう。



「明ちゃん?コーヒー淹れてくれる?」


「あ、はい!」


「俺も!ブラックでね」


「はい」



キッチンに行き、コーヒーを淹れる。


事務所のコーヒーはインスタントだから、拓海さんのように上手ではないけど、1年もコーヒーを淹れ続けていれば、だいたいの好みがわかるようになってきた。


社長は薄めのブラック。


拓海さんは濃いめで、砂糖をティースプーン1杯だけ、時々、濃いめのブラック。


後藤さんたちは自分で淹れたり、コンビニや自販機で買った飲み物を飲んでるので淹れたことがない。


それぞれのマグカップにコーヒーを淹れ、それを事務所に持って行く。


社長のデスクにコーヒーを置く。



「ありがとう」


「いえ……」



拓海さんのデスクにコーヒーを持って行こうとした時……。




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