誰にも言えない秘密の結婚
「うん、まぁ、拓海もいろいろ複雑な感じだから、正直に話して結婚を反対されたり、嫌われたりするのが怖くて話せなかったのもあるんだと思う」
複雑な感じって……。
どんなことなんだろう……。
その時、玄関が開く音がした。
「拓海が帰って来たみたいだな」
「はい……」
5日振りに会う拓海さん。
急に胸がドキドキしてきた。
事務所のドアが開く。
「…………あか、り?」
拓海さんの声が聞こえてくるけど、拓海さんの方を向くことが出来ない。
「てか、何で空翔と一緒にいるわけ?」
「それはな、拓海……」
社長が事情を説明しようとした時……。
拓海さんが私の横を通り過ぎ、社長の方に行くと、いきなり社長の胸ぐらを掴んだ。
「拓海、さん?」
「拓海?」
それは一瞬の出来事だった。
拓海さんが社長の右頬を殴り、社長が倒れた。