誰にも言えない秘密の結婚
「人の話を聞かずに、いきなり殴りかかってくる奴があるか。いくら親友でも俺は社長なんだよ。普通ならクビになってるぞ」
社長はそう言ってクスッと笑うと、立ち上がり椅子に座った。
「だからゴメンって……」
拓海さんはバツの悪そうな顔をして、何度も社長に謝った。
「まぁ、殴りたいと思うお前の気持ちもわからんでもないけど。拓海、今日はもう帰れ。明ちゃんと話をしてこい」
「あ、うん……」
拓海さんと目が合う。
ドクンと胸が小さく跳ね上がった。
私は思わず、目を逸らした。
「明?帰ろっか?」
拓海さんにそう言われて、目を逸らしたままコクンと頷いた。
もう逃げてはダメだ。
ちゃんと向き合って話さなきゃ……。