誰にも言えない秘密の結婚
「お母さんには、会いたいですか?」
「うーん……どうだろう……会いたいと思っていた時期もあったけど、今は会いたい気持ちはないかな……」
拓海さんはそう言って、少し寂しそうに笑った。
「ゴメン、なさい……変なこと聞いて……」
「謝らなくていいよ。明の反応が当たり前なんだから」
拓海さんはそう言って、私の頭をポンポンとしてきた。
「俺が小学6年の時に、1人の女の子が施設に来たんだ……」
「それが、ミナちゃん、ですか?」
「うん、そうだよ……」
拓海さんはどことなく切なくて悲しそうな顔をしてる。
「俺が6年生、ミナが1年生でね。施設に来た時のミナはいつも下を向いていて、誰とも話そうとしなかったんだ……。同じ小学校だから、ミナの手を繋いで一緒に登校てたんだけど、その時も一言も話さずに、お互い黙々と歩くだけで……」
私は拓海さんの話を黙って聞くことしか出来なかった。
どんな言葉をかけていいのか、どう返事をしたらいいのか、わからなかった。