誰にも言えない秘密の結婚



その時、拓海さんの顔から笑顔が消える。


真剣な目で私を見てくる拓海さん。


その目に捕らえられたように、拓海さんの目から自分の目を逸らすことができない。



「明……」



私の名前を呼ぶと、私の顔に拓海さんの顔が近付いてくる。


私の手を握っている拓海さんの手が微かに震えている。


拓海さんが私に何をしようとしてるのか、それがわかった途端、私の胸はドキドキと激しく鳴り始めた。


そっと目を閉じる。


次の瞬間、私の唇に柔らかい何かを感じた。


それは拓海さんの唇だとわかる。


生まれて初めてのキスーー。


さっきよりも胸がドキドキして、はち切れそう。


下腹の辺りがキューと疼く。




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