誰にも言えない秘密の結婚



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どれくらい時間が経ったんだろう……。


多分、10分?


いや……もっと短いくらいかな……。


ゆっくりと目を開けていく。


ボヤーとした霧の中に何かが見えて、やがてそれがハッキリと見えていく。



「おはよう」



拓海さんの顔がハッキリ見え、私は目を見開いた。



「あ、え、えっと……」


「よく寝てたね。明の寝顔が可愛いから見とれちゃってた」



拓海さんはそう言ってクスッと笑った。



「いや、そ、そんなこと……」



そんなこと言われたら……。


恥ずかしいよ。



「い、今、何時ですか?」


「ん?7時だよ」



えっ?


10分も経ってないと思っていたのに……。


目が冴えて眠れないと思っていたのに……。


ガッツリ寝てたなんて……。



「先にシャワー浴びてくるね」



拓海さんはそう言って、私の頭を撫でるとベッドから出て、部屋を出て行った。




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