誰にも言えない秘密の結婚
車は高速に入った。
「最初のサービスエリアで休憩しようか?」
「はい」
サービスエリアの看板が見えた。
あと10キロ先かぁ……。
「ねぇ、明?」
「はい」
「前から気になってたんだけど……」
「な、何でしょう……」
拓海さんが私に気になってることって、なに?
「敬語……」
「敬語?」
「そろそろやめない?」
拓海さんが私の方をチラリと見た。
「えっ?」
「仕事では上司と部下の関係だからいいとしても、プライベートでは夫婦なんだからさ。2人の時は敬語を使わずに普通に話して欲しいなぁと思って。会社でも家でも敬語って疲れない?」
「気にしてませんでした……」
就職した時から拓海さんに対しては、ずっと敬語だったから全く気にしてなかった。
だから疲れるとか全くなく……。
「今日から俺と2人でいる時には普通に話してよ?」
「はい……」
「はい、じゃないでしょ?」
「は、あ、いや、えっと、う、うん」
「よくできました」
拓海さんはそう言って、私の頭をポンポンとした。
いきなり普通にって、慣れるまで時間がかかりそうだよ。