誰にも言えない秘密の結婚




「あ、俺……」



拓海さんがそう言って手を上げた。


大爆笑していた後藤さんたちの笑い声が消え、事務所がシーンとなる。


一斉に拓海さんを見る。


驚きを隠せないほど、全員が目を見開いていた。



「えっ?藤原、さん?」



有本さんが口を開く。



「いや、だって、後藤くんが吉田の裸を見て勃つヤツ見てみたいって言ったから……」


「えっ?」


「えー!」



みんなが一斉に声を上げる。



「拓海、おまっ!」



社長までもがビックリしてる。



「藤原さん!どういうことですか?」



有本さんが拓海さんの側に来て詰め寄る。



「いや、だから、そのまんまだけど?」


「やっぱり吉田と付き合ってたんですか?」


「いや、付き合ってないよ?」


「じゃあ、どういうことですか?」



有本さんの口調がだんだん激しくなっていく。


私は下を向いて何も言えないまま。



「ちょっと!吉田!何とか言えよ!おいっ!」



いつもフワフワして可愛らしい有本さん。


そんな有本さんはそう言って、私の肩を強く揺すった。




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