誰にも言えない秘密の結婚




「ちょっ!有本!やめろっ!」



拓海さんが有本さんを止めた。


けど、有本さんは私の肩を揺らし続ける。



「結婚してるんだよ」


「えっ?」



有本さんの手が止まる。



「けっ、こん?」


「俺と……吉……あぁ、もういいや。俺と明は結婚してるんだよ」


「嘘……」



有本さんの身体は萎んでいく風船みたいに床に崩れ落ちた。



「だから付き合ってないっていうのは嘘じゃないよ?」


「い、いやぁぁぁぁぁ!!!」



有本さんが泣き出した。


床に伏せて、まるで子供みたいに。


ワンワン声をあげて。


そこに後藤さんが駆け寄り、有本さんの背中をさすりながら私をジッと睨みつけていた。




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