誰にも言えない秘密の結婚




「みんな、黙ってて申し訳なかった……」



拓海さんは椅子から立ち上がり、そう言って深々と頭を下げた。



「拓海、さん……」



私は拓海さんを見た。


拓海さんは顔を上げて、私を見ると優しい笑顔を見せた。



「明と結婚したのは4月で、みんなには結婚したことは黙っていて欲しいって言われてた。でも、明が妊娠したかもしれなくて……。だから、もう隠すことはやめようと……」


「じゃあ、さっきのって、マジで悪阻?」



後藤さんがそう言って拓海さんを見た。



「多分。まだ調べてないから確定はしてないけど。ねぇ、後藤くん?」


「はい」


「俺は、明のことは愛してるし、大切な人なんだ。明のこと、可愛くて仕方がないんだよ。だからちゃんと反応するから心配しないでね」



拓海さんはそう言ってクスッと笑った。


社長もクスクス笑ってる。




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