誰にも言えない秘密の結婚



リビングに戻り、再びソファに横になる。



「明?もし間に合わなかったら、これに吐いていいからね」



あとからリビングに入って来た拓海さんは、そう言って、テーブルの上に洗面器を置いた。



「ありがとう……」


「何か食べる?それとも飲み物の方がいい?」


「何もいらない……」


「でも何か食べないと……。冷蔵庫にフルーツゼリーがあったはず。それなら食べられる?」


「うん……」



固形物でもサッパリしたゼリーなら食べられそうな気がした。



「持って来るね」


「うん」



拓海さんはキッチンに行き、冷蔵庫からゼリーを持って来てくれた。



「妊娠したら酸っぱいものが食べたくなるって言うじゃん?だからグレープフルーツゼリー」



そう言ってクスリと笑う拓海さん。


私の身体を起こしてくれて、ゼリーの蓋を開けてくれて、それを渡してくれた。




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