誰にも言えない秘密の結婚




「有本さん、私、仕事辞めます……」


「えっ?何で?」


「社長や拓海さん、みんなにこれ以上、迷惑かけたくないから……」



私は有本さんと反対側の窓の外を見ながらそう言った。


本当は、本当はね……。



「吉田が辞めたら、文句言う相手いなくなるじゃん」



有本さんはそう言って寂しそうに笑う。



「それに、藤原さんに今よりもっともっとアプローチしちゃってもいいの?」


「それは困りますけど、私は拓海さんを信じてるから大丈夫ですよ。他の女になびくような男じゃないってわかってますから」



私はそう言って、ニッコリ笑った。



「はいはい、ごちそうさま。吉田のくせに……」



お互い、ぷっと吹き出して笑い合う。


私は拓海さんのことを信じてるし、拓海さんも私のことを愛して大切にしてくれてると感じるから。


だから平気だよ?



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