誰にも言えない秘密の結婚
私は泣きじゃくりながら今日あったことを全て話した。
「酷いな……」
藤原さんは呟くようにそう言った。
「後藤と同級生だったよね?」
私はコクリと頷いた。
「もしかしてさぁ、間違ってたらゴメンだけど、その中学の時に……」
「イジメに遭ってました」
私は藤原さんが言う前に、自分からそう言った。
深い溜息をつく藤原さん。
「あかりって名前なのに、名前負けしてるって……それからブスだとか根暗とか……言われて……だから、マスクが手放せなくて、髪も切れないんです……」
「辛いこと思い出させちゃってゴメンな……」
「いえ……」
「中学生のノリのまま大人になったってわけか……情けない……」
藤原さんはそう言うと、再び深い溜息をついた。