誰にも言えない秘密の結婚



私は泣きじゃくりながら今日あったことを全て話した。



「酷いな……」



藤原さんは呟くようにそう言った。



「後藤と同級生だったよね?」



私はコクリと頷いた。



「もしかしてさぁ、間違ってたらゴメンだけど、その中学の時に……」


「イジメに遭ってました」



私は藤原さんが言う前に、自分からそう言った。


深い溜息をつく藤原さん。



「あかりって名前なのに、名前負けしてるって……それからブスだとか根暗とか……言われて……だから、マスクが手放せなくて、髪も切れないんです……」


「辛いこと思い出させちゃってゴメンな……」


「いえ……」


「中学生のノリのまま大人になったってわけか……情けない……」



藤原さんはそう言うと、再び深い溜息をついた。





< 47 / 302 >

この作品をシェア

pagetop