誰にも言えない秘密の結婚
「今、気付きました。でも大丈夫です」
私はスカートについた土を払いながらそう言った。
電車も2駅乗るだけだし。
帰ってからシャワー浴びて寝るだけだし。
「それに、藤原さんはまだお仕事残ってますよね?」
結婚の報告から逃げたい一心でそんなこと言ってみたけど……。
だって、いきなり結婚の報告だなんて心の準備が出来てないし。
「そんな格好で、俺が帰したくないの」
そう言われてしまい、手を握られ、半ば強引にマンションの中へと連れて行かされてしまった。