誰にも言えない秘密の結婚




「今、気付きました。でも大丈夫です」



私はスカートについた土を払いながらそう言った。


電車も2駅乗るだけだし。


帰ってからシャワー浴びて寝るだけだし。



「それに、藤原さんはまだお仕事残ってますよね?」



結婚の報告から逃げたい一心でそんなこと言ってみたけど……。


だって、いきなり結婚の報告だなんて心の準備が出来てないし。



「そんな格好で、俺が帰したくないの」



そう言われてしまい、手を握られ、半ば強引にマンションの中へと連れて行かされてしまった。




< 61 / 302 >

この作品をシェア

pagetop