誰にも言えない秘密の結婚
「その仕事、火曜日までだっけ?」
「そうだけど?」
「じゃあ、明日行って来い!」
社長はそう言ってニカッと笑う。
「えっ?」
「はっ?」
藤原さんと声がハモり、驚いてお互い顔を見合わせてたけど、恥ずかしくなって目を逸らした。
「なんか初々しいね」
社長はそう言ってケラケラ笑う。
そんなこと言われたら余計に恥ずかしくなるよ……。
「まぁ、明ちゃんのご両親の都合が良かったらだけどな」
「き、聞いて、みます……」
「もし、ご両親の都合が悪くて挨拶が先になっても、明日は拓海は休みな。これは社長命令だ」
「わかったよ。吉田?悪いけど、そういうことだから……」
「はい」
私はそう返事をして、藤原さんと社長が食べ終えた食器類をキッチンに持って行った。
洗い物を済ませたと同時に、洗濯機から乾燥が終わったことを教える音が鳴った。