朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
準備って、シャイレンドルフ侵攻の準備ってことよね。そういえばお母様が、少しずつこの国にアミルカの兵士を送り込むと言っていたっけ。結婚の儀でみんなが浮かれムードになる機会をじっと待っていたんだ。
「皆、悲願の達成をお祈りしています」
取りつく島もない。何も言い返せなくなって黙ると、コンコンとドアがノックされた。
「どなた?」
ルーシアかしら。
「わたくしです、王女様」
この尾てい骨から直接響いてくるような低い声は、親衛隊長のセンテムだわ。
「どうしたの」
ドアを開けると、センテムは一礼する。彼が入ってくると、ボートレイト伯爵は椅子に座りなおした。
「王女様をお誘いに参りました」
「お誘い?」
練兵見学はもうこりごりよ。そんな私の気持ちを見抜いたのか、センテムは苦笑した。
「実は、王女様に結婚の儀の前にやっていただかなければならぬことがあるのです」
「なに?」
「儀式に必要な花を摘みに行くのです」
花を摘みに? このいかつい親衛隊長と? なんだか変わった絵面になりそう。
「花なら庭にたくさん咲いているじゃありませんか」
ぼそっと伯爵が呟くように言った。うわー、感じ悪い。でも、たしかにそうよね。花なら庭園に巨大な絨毯かと思う位咲いているのに、その中にはないの?