朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「この国のある場所でしか咲かない花があるのです。枯れてしまってはいけないので、毎回王妃となるお方が結婚の儀直前に摘みに行くのが伝統となっておりまして」


センテムは丁寧に説明する。


「珍しい花なの?」

「この国の国花であり王家の紋章にもなっている、フェロミアという花です」


そうなんだ。聞いたことないな。紋章もじーっと見たことがない。
そんな不勉強な私を、ボートレイト伯爵がじとっと見ていた。


「少し険しい道になりますので、私がお供いたします」

「そうなの……あなたがいてくれるなら安心ね」

「王女様、お茶をお持ちしました」


タイミングよくルーシアが部屋に来た。事情を話すと、『そう言えばそうでした!』と慌てて装飾の少ない軽いドレスとボンネット、歩きやすそうなブーツが用意された。ルーシアも大事なことを忘れることがあるのね。


「親衛隊長、国王陛下は一緒に行かれないのですか」


相変わらずむすっとした顔のボートレイト伯爵が尋ねる。


「陛下は他の仕事がありまして。すみません」


自分よりはるかに大きな男の人に頭を下げられ、伯爵は居心地悪そうな顔をした。


「いいのよ。ちょっと外に出たいと思っていたの」


昨夜エドガーと喧嘩みたいになってしまったから、ここにいるのは気まずい。伯爵といるのも辛いから、誘ってくれて良かった。


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