朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「ありがとう……。早くあなたに話せば良かった」


この何日か、本当に辛かった。病に伏した母に何もしてあげられない自分が悔しかった。エドガーを殺すしかないのかと思ったこともあった。でも、これで元気になるかもしれない。

そっとエドガーの手を握る。けれどその手には温かさはあっても力がなかった。見上げると、寂し気なブルーの瞳と目があった。


「お前はどうする?」


どうするって、何を? きょとんと見返すと、エドガーの長いまつ毛がゆっくりとしたまばたきと同時に揺れる。


「本当にこの国にいるのが辛いなら、伯爵と一緒に帰ってもいい」

「え……」

「母親の一大事だ。アミルカに帰りたいだろう? こっちに戻ってきたくなければ、そのままでもいい。婚約を解消しよう」


シャイレンドルフに嫁いだ他国の姫は、二度と故郷に戻ってはいけない決まりのはず。それに、王族同士が決めた政略結婚を白紙に戻すなんて聞いたことがない。エドガー、何を言っているの。


「お前の辛い顔なんて、もう見たくないから。本当は俺が死んでやればお前やお前の母が一番喜ぶんだろうけど、それはできない」


エドガーはキッパリと言った。


「どんな状況でも生き残る。それが俺を孤独にした世界への最大の報復だと思っているから」


< 145 / 230 >

この作品をシェア

pagetop