朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ありがとう……。早くあなたに話せば良かった」
この何日か、本当に辛かった。病に伏した母に何もしてあげられない自分が悔しかった。エドガーを殺すしかないのかと思ったこともあった。でも、これで元気になるかもしれない。
そっとエドガーの手を握る。けれどその手には温かさはあっても力がなかった。見上げると、寂し気なブルーの瞳と目があった。
「お前はどうする?」
どうするって、何を? きょとんと見返すと、エドガーの長いまつ毛がゆっくりとしたまばたきと同時に揺れる。
「本当にこの国にいるのが辛いなら、伯爵と一緒に帰ってもいい」
「え……」
「母親の一大事だ。アミルカに帰りたいだろう? こっちに戻ってきたくなければ、そのままでもいい。婚約を解消しよう」
シャイレンドルフに嫁いだ他国の姫は、二度と故郷に戻ってはいけない決まりのはず。それに、王族同士が決めた政略結婚を白紙に戻すなんて聞いたことがない。エドガー、何を言っているの。
「お前の辛い顔なんて、もう見たくないから。本当は俺が死んでやればお前やお前の母が一番喜ぶんだろうけど、それはできない」
エドガーはキッパリと言った。
「どんな状況でも生き残る。それが俺を孤独にした世界への最大の報復だと思っているから」