朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
必死に呼びかけるけど、伯爵は元のように膝を抱え込んでしまった。私の言うこともエドガーも、全身で拒否しているみたい。
「この人はこの人で、長年信じてきたものがある。急に考え方を覆せと言われても、簡単なことじゃない」
ぽんと、エドガーが私の肩をたたく。そして、そっと伯爵に語りかけた。
「もうじき、ここに兵隊が来る。そいつがお前と医師をアミルカに送っていく。ミリィとはこれが最後の別れになる。言いたいことはないか」
きっと昨夜のうちにすべての段取りをつけておいたのね。さすがエドガー。と感心すると同時、寂しいような気分に襲われた。
これで、伯爵とお別れだ。幼い頃からよく面倒を見てくれた伯爵。懐かしい思い出がまぶたの裏によみがえる。
「いいえ」
伯爵はうつむいたまま答えた。
私はなんて言えばいいんだろう。たくさん伝えたいことがあるはずなのに、言葉にならない。こんなふうに、喧嘩別れみたいになってしまうの?
「ボートレイト伯爵……どうか、元気でね。お母様やお兄様たちに愛していると伝えてちょうだい」
結果としてアミルカのみんなを裏切ることになってしまった。でも、みんなを嫌いになったわけじゃない。今だってみんなが大好きだから、とても苦しい。
許してくれなくていい。どれだけ責められても私はエドガ―を殺したりできないし、戦争にも賛成できない。