朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


宮殿に住む使用人が起きてくるより前に、ボートレイト伯爵はアミルカへと旅立った。誰かに見つかってはいけないという理由で、見送ることはかなわなかった。

さも今起きてきたような顔をして、エドガーの部屋で一緒に朝食をいただく。二人で食事をするのは初めて。彼が使用人を下がらせたあと、私の方から口を開いた。


「ねえ、無理やり伯爵を無罪放免しちゃって、オーケン大臣は大丈夫なの?」


昨日は何がなんでも伯爵と私を処刑台に上げたいみたいな顔をしていたけど。


「ああ……大丈夫。昨夜のうちに話はつけた」

「どういう条件を出したの」

「オーケンの汚職を見逃してやると。大した額じゃないが、賄賂を受け取っていたらしいからな」


なるほど。やってそうだわ。それを黙っていてあげるかわりに、伯爵のことについて口をつぐめってことね。


「取りあえずはこれで落ち着くだろう。今後も汚職が続くようなら、罰するしかないがな」


食後の紅茶に口をつけ、エドガーが静かに言う。そうよね。国のためにならない大臣を放っておく人じゃないもの。


「でもこんなことがあったんだもの……結婚の儀は延期よね」


音を立てないように注意し、持っていたカップを置く。エドガーがおさめてくれたとはいえ、オーケンはきっとボートレイト伯爵がやったことをもう何人かに話してしまったに違いない。親衛隊の皆も知っているんだし。こんな状況で結婚の儀なんてできないわよね。


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