朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「だめよミリィしっかりして。そんな人ばかりじゃないわよ」
少し好意を持っていた人に裏切られたようで、胸が痛かった。けど、自分で自分を叱咤する。
「なに一人でぶつぶつ言ってるんだ?」
「わあ!」
壁に向かって話していたら、突然後ろから声をかけられた。驚いて後ろを振り返ると、そこにはラッセルが。珍しく軍服を着てマントを付けている。いつもの楽そうな格好よりよほど男らしく見えた。
「まあ素敵。どうしたのラッセル」
「やめろよ、見え透いたお世辞は。エドガーに地方の視察を命じられたんだ。ちょっと行ってくる」
あのいつも何やってんだかわからないラッセルが、仕事を命じられたなんて。きっとエドガーが歩み寄ったんだ。
「そうなの。頑張ってね!」
「やめろよ、その生暖かい目」
ラッセルはちょっと恥ずかしそうに視線を逸らし、チッと舌打ちした。
「ところで地方ってどこ? それって私もついていっちゃダメ?」
城下街の視察には連れていってもらったことがあるけど、地方は見たことがない。宮殿内の人間関係に疲れたところだし、気分転換に外に出たいな。そんな軽い気持ちで聞いてみただけなのに、ラッセルは険しい顔をした。