朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「先が思いやられます。宮殿の見取り図も、国内の地図も、頭に入れていただかなければ」
それさえできなようじゃ、暗殺なんて無理だと言いたいのだろう。たしかにいざという時すぐに脱走できるように、抜け道や近道を覚えておくのは必須だと思う。けど、女は男と違って、地図を頭に入れるのが苦手なのよう。
「何度か実際に通れば覚えられるもん」
「はいはい。……ああ、街に入りました。どうやら商店街だったようですな」
言われて伯爵の背中から顔を出して前を見る。石畳の道の両脇には、パン屋やレストラン、靴屋や帽子屋、宝石店にドレスのオーダーメイドのお店など色んな店が立ち並んでいる。
半年でよくここまで復興したものだ。
たまに戦争で主を失ってしまったのか、瓦礫が撤去されてぽっかりと空いた土地がいくつかあった。残っている店は簡素な造りで、地道に営業を続けているように見える。戦争が起きる前は、もっと華やかで活気がある街だったのかも。
「あっ、あれは」
少し馬を進めると、先の方に見覚えのある白い軍服を着た男たちが見えた。その中心にひときわ輝く金色の頭が見える。目立つからすぐにわかる。エドガーだ。
馬を下りてゆっくり近づくと、やがて彼らが話していることが聞こえてきた。