朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


「い、いえ何も……」


男は宝石が入っているという袋を抱えたまま、何もなかったかのようにそそくさと逃げようとする。そのとき。


「捕まえてくれ! 泥棒だーっ」


遠くの方から声がした。その声を聞いた男は舌打ちをして走りだす。こいつ、泥棒なの!?


「待ちなさ……」


追いかけようと立ち上がった私を制したのはエドガーだった。


「ったく。面倒かけやがって」


そう悪態をつくと、エドガーは走りだす。その速さはまるで風のようで、あっという間に男に追いついた。
腰に提げていた剣を鞘のまま振り上げると、泥棒の背中の真ん中向けて片手で思い切り突き出す。


「ぎゃ……っ」


カエルが潰れたようなうめき声を上げ、泥棒は地面に倒れ込む。そこへたくさんの人が寄ってきた。


「はあはあ、ありがとうございます国王陛下」

「宝石店のタオか」


汗だくになって走ってきた太ったおじさんにエドガーが声をかける。このおじさん、宝石店の店主みたい。


「ちょっと留守にしている間にやられまして。ああ助かった。ありがとうございます」

「礼には及ばない。おい、連行しろ」


エドガーが指示すると、取り巻きの兵士たちが泥棒に縄をかけて運んでいく。

ああ、びっくりした……。こんな昼間から泥棒が出るなんて。しかも袋いっぱいの宝石を盗んでいくなんて。この国の泥棒は結構大胆ね。


< 34 / 230 >

この作品をシェア

pagetop