エア・フリー 〜存在しない私達〜《前編・誕生》
 しかし、その反面、敵がケータイを利用して、こちらの番号を知り、居場所を知られる恐れもある。

 でも、今は勇との唯一のライフラインを無くしたくはない。

 源は火菜に

「とにかく、毎日、勇に掛けつづけるんだ。もしかして、繋がる事があるかもしれない。でも、勇以外の者が出た時には、あきらめるんだ。そして、火菜のケータイもすぐに壊すんだ。ケータイは便利な反面、他人に渡ったら情報が垂れ流しになる危険性も孕んでいるからな。」

 火菜には、源の言っている意味が理解出来たが、今は、前者に賭けるつもりしかなかった。

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