未知の世界5

翌朝。






食前からテーブルに全ての薬を並べるかな。





食前、食間、食後、







心臓関係、頭痛、貧血、喘息。







昨日処方された薬…。






次にアレルギーで何かしらの反応が出たら、またこれらの薬よりもっと増えるんだろうな。








かながじっとテーブルの上の薬を眺めていると、起きて来た幸治が声をかける。







「また飲まなくてもいい薬でも探してたのか?」








その声にビクッと反応し、顔をあげるかな。








『そんなこと考えてないです!』








思わず大きな声で否定する。








「前に薬を飲まずに捨ててたことがあったし、そんなに思い悩んだ顔してると、見てるこっちはそう考えるけどな。」







どことなく嫌味な言い方をされ、ムッとするかな。






昨夜の優しさはどこへ行ったのか。





私が本気で悩んでいる時は、それが伝わってるのか、とことん優しいけど。
気持ちに余裕のある時は、厳しい医者としての意見を言ってくるんだから。







テーブルの上の薬の中で食前のものを集め、そばにある水で胃に流しこんだ。







これらの薬だけでお腹がいっぱいになる。







かなは朝から私のために用意してくれているお母さんには悪いと思いながらも、どうしてもパンを食べることができない。






お母さんが私にどうしても口にして欲しいと、野菜たっぷりのスムージーを用意してくれている。







そのスムージーも半分飲んで食事を終えた。






残りの薬をカバンに詰め、幸治よりも先に家を出て病院へ向かった。
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