未知の世界5
吸入が始まるとすぐにむせる…。
今日はどっと疲れたからいつもより早くにむせ始める。
体力的に疲れる時はもちろん、精神的に疲れる時も同じくらいに疲れる。
今日はきっと、精神的に疲れてるんだろうな。
と、あれこれ考えながらも、むせて発作につながらないように落ち着かせながら吸入する。
何分か経った頃、ガチャっと検査室のドアが開く。
吸入しながら振り向くと、そこにはりさちゃんが立っている。
う……。バレた。
『あの、忘れ物してしまって。』
私の吸入を姿に驚いているけど、なるべく見ないようにと、彼女なりの配慮をしてくれている。
『これかな?』
と進藤先生が彼女の忘れた物を入り口まで持って行く。
彼女がお礼を言って再び検査室を出て行った。
そうこうすると、機械が止まる。
あぁ、見られてしまった…。
『そんなに落ち込まないのっ!』
トンっ
と背中を叩かれる。
「はい、今日は疲れる一日でした…。」
と、うっかり口を滑らしてしまう。
何があったの?という顔の進藤先生。
「…今日は、帰ります。」
というと『お疲れ様』と返す進藤先生はほかに何も聞いて来なかった。
少しホッとした。