未知の世界5
「おい…、どうした?」
回診を終えて医局でカルテの整理をしていると、となりの石川先生に声をかけられる。
『え?』
「さっきから進んでないし、顔色も悪いぞ。」
う……、石川先生、さすがです。
体調はいいんだけど、気分が優れない。
「診察するか?」
『いやっ、そういう訳ではないんです。
ちょっと思い出してしまっただけですから…。』
まだ何か聞きたそうな石川先生だったけど、それ以上何も言ってこなかった。