上から先輩



「いえ、結構です」


「なっ……遠慮しなくていいんだよ!俺が付き合ってやるって言ってんだから素直に頷けよな!」


「はあ」


「そっち行くから待ってろよ!絶対先行くなよ!」


「………」




毎度毎度思うことだけど、この先輩は一体何がしたいんだろうか。


私なんかに構ったところで一ミリも役に立たないというのに……。


心の中で呆れつつ律儀にも待っていてあげるあたり、私も相当流されやすい体質だな、と自分にすら呆れる。


階段を降りてきた先輩は私の元にやってくると「仕方ねえな、行くぞ」と、なぜだか嬉しそうに笑った。


仕方ねえな、はこっちのセリフだ。


とは思いつつも言葉を飲み込んで、先輩の後ろを歩き出した。



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