強制両想い彼氏
「あれ?皐月は?」
「皐月くん来れないって」
放課後、待ち合わせ場所の校門に行ったら、1人で来た私を見て、先に来ていた永瀬くんがキョトンと目を丸くした。
永瀬くんはしばらくなにか考えてたけど、「なら仕方ねえな」と言って小さく笑った。
その後5分くらい待つと全員集まり、私たちはわいわいしながらカラオケへ向かった。
最近は皐月くんと2人でデートばっかりだったから、こんな風に大人数で遊ぶのは久しぶりですごく楽しい。
いや、皐月くんと2人きりで遊ぶのが嫌だってわけじゃないんだけど!
でもやっぱりこういうみんなで思いっきり騒ぐのも楽しいな、って思う。
それから数時間、私たちは騒ぎに騒いで上機嫌でカラオケを出た。
「じゃ、また明日ね!」
その後は解散することになり、私はみんなに手を振って歩き出した。
そういえば、カラオケに夢中でずっと携帯を開いてなかった。
時間を確認しようと電源を入れると、ディスプレイには19時と表示されている。
皐月くんからのラインと着信も何件か入っていた。
少し遅くなっちゃったし、心配してるよね……。
『返信遅れてごめんね!今から帰ります!』
そう返信して携帯を閉じた。
携帯を鞄にしまい歩き出したら、突然誰かに肩を叩かれた。
驚いて振り返ると、そこにいたのは永瀬くん。