強制両想い彼氏

皐月くんはにこ、と笑う。


「お前に近付く人間全員殺していけば、最終的にお前の周りには誰もいなくなって、きっとお前はまた俺のところに戻ってくる」


皐月くんは優しく私の髪を撫でると、少し寂しそうに微笑んだ。


「少しの間距離を置くのは寂しいけど、でも俺たちがまた一緒になるためなら仕方ないよな……つらいけど我慢する」


皐月くんの言葉に頭がついていけず、体だけが本能的にカタカタ震える。


「多分、最初は永瀬だろうな……」


突然挙がった名前に、息が止まりそうになった。


「な、んで!?なんで永瀬くんなの!?」

「ん?だってそうだろ。俺とお前が別れたって聞いて、喜んでお前に真っ先に飛びつくのはあいつしか考えられないし……。今ですらもう殺したいのに、そんなことされたら多分迷わず刺すよ」

「やだ……だめ……!」

「俺だってそんなことしたくないけど……でも、お前が別れたいとか言うから仕方ないんだよ……」

「っ、なんで……」


じっと私を見つめる皐月くんの瞳は、感情は無いのに狂気を孕んでいて。
この人を放したら、本当に人が死ぬ気がした。


「ねえ、わ……たし、別れないから……」

「うん」

「誰も、殺さないで……」


皐月くんはしばらく黙って私を見据えると、無表情のまま口を開いた。


「じゃあ約束して」

「?」

「俺以外の男と、もう二度と話さないって」

「え……」

「今お前が永瀬を殺すな、ってかばっただけで……俺は既に永瀬を殺したいって思ってる。お前が俺以外のやつを見るだけで、俺は狂いそうになるんだよ」

「そんな……」

「ねぇ、出来る?」



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