強制両想い彼氏

たしかに皐月くんはかっこいいし、彼女がいるって知ってても、キャーキャー騒ぎたくなる気持ちは分かる。

だから私はその騒いでる女の子たちにイライラしたことはないし、皐月くんが他の女の子と話していても特に嫌な気持ちになったことはない。

だから、なのかな。

皐月くんの束縛が理解出来ないのは。

まあ、皐月くんが私を好きだって言いながら他の女の子にも同じようにキスしたり、それ以上もしてるって聞いたら怒ると思う。
けど、普通の友達としてなら、女の子と2人で遊んでても私は特に何も思わない。
もしその女の子が皐月くんに好意があったとしても、皐月くんに好意がないなら別に不安になんかならないし……。

とか言ったらきっと皐月くんは怒るんだろうな。


はあ、と長い息を吐き出したその時だった。


ガラッと教室の後ろの扉が開き、教室中の視線が集中する。


そこに立っていたのは、松葉杖をついた永瀬くんだった。


無意識に体が強張る。


あの日、皐月くんが永瀬くんの脚を蹴った日、あの日以来、永瀬くんは入院生活を余儀なくされ、ずっと学校を休んでいた。
蹴られた脚は重傷で、ひどい骨折だったらしい。

皐月くんはお見舞いに行ったらしいけど、もちろん私は行かせてもらえなかった。

だから、永瀬くんに会うのは約1ヶ月ぶり。



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