気付いた時には2人の君が・・・
授業
「クリミア戦争は1853年から56年に渡って行われた戦争で・・・」
無機質に響き渡る先生の声と、黒板を叩くチョークの音。
カチカチと乾燥した音を立てる時計の秒針。
聞こえてるようで聞こえてないそれぞれの声。今の僕は、桜野さんのことばかりを考えていた。
ほんの数日しか言葉を交わしていないのにいつのまにか、なんだ、その、恋人、になってしまっていて。それがなくても、教室から見ていたときからすごく気になっていて。
そんな彼女の側面をして、文字通りの裏側を知って。
彼女の、彼女たちのことをもっと知りたい。そうして手を差し伸べてあげたい。一緒に悩んで、考えて、解決いていきたい。
そのためには・・・
ターンターンターンターン
「じゃあ授業はここまで。次の授業までにしっかり復習しておくように。」
「ひとまず、お昼ご飯を一緒にたべようかな」
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